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HTMLだけ書ける人の仕事は、もう無いのか。求人を数えて200件読んだ

「HTMLだけの仕事は もう無いのか? 求人2,308件を数えた」と書かれたアイキャッチ画像。ノートパソコンの前で腕を組み、考え込む男性

2026年9月7日時点で、「HTMLコーダー」の求人は2,308件ありました。そのうち業務委託は175件。職種名が本当に「コーダー」なのは28.6%で、給与は時給1,057円から月給55万円まで開いています。求人ボックスとIndeedで数え、求人票200件を1件ずつ読んだ結果です。

ここから先は、その数え方と、200件読んで分かったことです。

先日、「コーディング10ページ20万円」は高いのかという記事を書きました。いまの道具なら10ページのコーディングは数時間で終わる、という話です。

書いたあとで、自分でも気になりました。数時間で終わるなら、その仕事はまだ求人として存在しているのか。

私はWeb制作で食べています。他人事ではありません。「コーダーの仕事はもう無い」と言う人も、「まだまだ需要はある」と言う人もいますが、どちらも数字を出しているのを見たことがない。なので数えました。

目次

先に、数え方を書きます

2026年9月7日に、求人検索サイトの求人ボックスIndeedで調べました。

  • 件数:求人ボックスで、キーワードごとに雇用形態を絞って取得
  • 中身:「HTMLコーダー」の検索結果を、求人ボックス112件・Indeed 88件、合わせて200件ぶん1件ずつ確認

注意書きも先に出します。ここを飛ばすと数字を読み違えます。

求人ボックスは検索結果ページに、「類似する求人が複数ヒットした際に自動で非表示にしているため、ヒット件数と表示されている求人の数が異なる場合がある」と自分で書いています。「求人の並び順は、採用企業等が支払う対価にも基づいて決定される」とも書いてあります。つまり件数は「その言葉を含む求人の数」であって、「その職種の募集人数」ではありません。この記事の数字も、全部その前提で読んでください。

結論から。無くなってはいません

「HTMLコーダー」で2,308件ありました。ゼロではありません。

キーワード全体正社員アルバイト業務委託
HTMLコーダー2,3081,45352175
マークアップエンジニア1,5321,00510397
WordPress7,2384,4492711,296
Shopify1,8831,24857214
ノーコード9,0027,64982464
生成AI70,99756,1052,3934,123
React73,70955,4745713,006
フロントエンドエンジニア96,59058,8309232,462
Webデザイナー134,19597,7421,69223,235
求人ボックスで2026年9月7日に取得。雇用形態のフィルタをかけた件数

「コーダーの仕事は消えた」は言い過ぎです。2,308件のうち1,453件が正社員募集で、探せば就職はできます。

ただ、200件読んだら別のことが見えました。残っているのは事実ですが、残り方が二つに割れています。

「HTMLコーダー」で出てくる求人の、3割しかコーダー職ではない

求人ボックスの112件を、職種名で3つに分けました。

職種名件数(112件中)
コーダー専任(「HTMLコーダー」「Webコーダー」など)32件・28.6%
コーダー+他職種の兼務(「デザイナー兼コーダー」など)31件・27.7%
そもそもコーダー職ではない(デザイナー・ディレクター等)49件・43.8%
求人ボックス「HTMLコーダー」検索結果112件を職種名で分類(2026年9月7日)

Indeedの88件でも同じでした。タイトルにコーダー・コーディング・マークアップが入っていたのは66件で、そのうち35件は他の職種と併記です。

検索する側からすると、これは体感と合います。「HTMLコーダー」で探しているのに、出てくるのはWebデザイナーとWebディレクターの募集。コーダーという枠が単独では立てにくくなっていて、他の役割にくっついた形で残っている、という読み方ができます。

求人票には、HTMLの隣に必ず何かが書いてある

求人ボックスは求人票にスキルのタグをつけています。112件ぶんを数えました。

タグ112件中の出現率
HTML95.5%
CSS50.9%
JavaScript35.7%
WordPress26.8%
CMS24.1%
PHP14.3%
Photoshop12.5%
SEO10.7%
Illustrator9.8%
jQuery8.9%
求人ボックス「HTMLコーダー」検索結果112件のスキルタグ出現率(2026年9月7日)。タグは求人ボックス側が付けたもので、求人票の全要件を網羅しているわけではありません

HTMLはほぼ全件に付きます。当たり前です。見るべきはその下です。JavaScriptが3件に1件、WordPressが4件に1件。

言い換えると、HTMLとCSSだけで完結する求人票のほうが少数派です。

同じ「HTMLコーダー」で、時給1,057円と月給55万円が並んでいる

ここがいちばん驚いたところです。職種名が「コーダー」だけの32件、その給与を全部並べます。

いちばん低い

時給1,057円

アルバイト・パートの「HTMLコーダー」。時給で出ていた6件は1,057円〜1,800円でした。

いちばん高い

月給55万円

業務委託の「HTMLコーディング常駐支援業務」。同じ条件のものがもう1件ありました。

給与の書き方件数
時給6件1,057円 〜 1,800円
月給13件18万8,320円 〜 55万円
年収13件300万円 〜 700万円
求人ボックスで職種名が「コーダー」だけの32件(2026年9月7日)。雇用形態は正社員21・アルバイト4・契約2・業務委託2・派遣1ほか

Indeedの88件は給与が数値で入っていたので、年収に換算しました(下限の値・時給は1日8時間×月20日として計算)。

年収換算の中央値

360万円

給与記載のあった82件の真ん中。上下の四分の一で区切ると297.6万円〜430万円。

時給求人の中央値

2,000

Indeed側の時給求人26件は1,200円〜2,600円。求人ボックス側より高めでした。

上と下の差

7.9

年収換算で最大950万円、最小120万円。同じ職種名の中の差です。

前の記事で「相場という一つの数字は存在しない」と書きました。求人のほうも同じでした。「HTMLコーダーの給料」という一つの数字はありません。あるのは、下が時給1,057円で上が月55万円という幅だけです。

フリーランスとして受けられる数を見ると、差がはっきりする

正社員の枠には、会社の都合や昔からの職種名がそのまま残ります。市場の今が出やすいのは業務委託のほうです。さっきの表から、業務委託の列だけ抜き出します。

キーワード業務委託の求人数
HTMLコーダー175件
マークアップエンジニア397件
WordPress1,296件
生成AI4,123件
React13,006件
Webデザイナー23,235件
フロントエンドエンジニア32,462件
求人ボックス・業務委託で絞った件数(2026年9月7日)。棒は32,462件をいっぱいとした実寸。HTMLコーダーの棒がほとんど見えないのは、そういう数字だからです

HTMLコーダー175件に対して、WordPressは1,296件で7.4倍、フロントエンドエンジニアは32,462件で185倍です。

ここは正直に書いておきます。この差の一部は、言葉の広さのせいです。「フロントエンドエンジニア」は職種名としてよく使われるので、それだけヒットしやすい。ただ、その「よく使われている」こと自体が答えでもあります。いま企業が募集を出すとき、選ぶ職種名がそっちだ、ということなので。

「スクールで習ったのでHTMLとCSSはわかります」だと、フリーランスはかなり厳しい

ここははっきり書きます。読んでいて気分の良い話ではないと思いますが、数字がそうなっているので。

「HTMLコーダー」2,308件のうち、業務委託は175件。全体の7.6%です。さらに私が読んだ112件のなかで業務委託は3件、そのうち職種名が「コーダー」だけのものは2件しかありませんでした。

正社員として入る道は1,453件あります。そちらは未経験可の募集もありますし、入って伸ばすなら現実的です。ただ「HTMLコーダーとして独立して食べる」となると、入口の数がそもそも足りていません。

そして、数が足りないところに人が並べば、値段は下がります。前の記事で見たクラウドソーシング公式の相場は、1ページのコーディングで3,000円〜30,000円でした。下のほうを引くと、10ページで3万円です。

私の意見を書きます。スクールでHTMLとCSSを習って「わかります」と言える、という段階でフリーランスとして独立するのは、いまかなり厳しいです。受けられないという意味ではありません。受けられても、単価は相当安いところから始まると思っておいたほうがいい、という意味です。

理由は前の記事と同じです。HTMLとCSSを書くこと自体が、もう時間のかからない作業になりました。時間がかからない作業に、高い時間単価はつきません。値段がつくのは、その作業ではなく、その前後にある判断のほうです。

厳しい言い方に見えるかもしれませんが、これは能力の話ではありません。入る場所を間違えると、どれだけ真面目にやっても単価が上がらないという、市場の形の話です。

逆に「HTMLコーダーで高単価」を見たら、私はいったん止まります

ここからは、もっとはっきり私の感想です。

職種名が「コーダー」だけの32件を、金額の高い順に並べ直しました。すると、高いものが2種類に分かれました。

A:技術の名前が並んでいるB:技術の名前が並んでいない
金額年収525万円/年収500〜700万円月給50〜55万円/月給35万円〜/月給36万円〜
付いているスキルタグJavaScript・WordPress・Vue.js・jQuery・CMS・SEOHTMLとCSSだけ、またはHTMLだけ
代わりに並んでいる言葉「常駐支援」「未経験OK」「管理職」「インセンティブ」「寮・社宅あり」
出しているところ企業の求人サイト・転職サイト人材紹介・人材派遣の会社
求人ボックスで職種名が「コーダー」だけの32件を、金額の高い順に確認(2026年9月7日)

Bのほうで、もう一つ気になったことがあります。月50〜55万円の業務委託が2件ありましたが、この2件は最寄り駅も徒歩の分数も同じで、会社名だけが違いました。片方には「未経験OK」が付いています。

これが違法だとか悪質だとか言うつもりはありません。そこまでは分かりませんし、常駐案件でまとめて人を集める形自体はふつうにあります。

私が言いたいのはここです。HTMLとCSSだけで月55万円という数字は、いまの作業時間から逆算すると説明がつきません。前の記事で書いたとおり、10ページのコーディングは数時間で終わります。その作業に月55万円が出るなら、求人票に書かれていない何かが必ず含まれています。

常駐して拘束されるのか。実際は営業や電話対応も入るのか。間に何社か挟まっていて、そこから引かれるのか。研修という名目で最初の数ヶ月は違う金額なのか。あるいは、単に求人票の書き方が雑なだけかもしれません。

どれなのかは、応募する人が確かめれば分かることです。疑って避けろ、という話ではなく、確かめてから決めればいいという話です。私なら、この3つを聞きます。

  • 技術の名前がいくつ書いてあるか。HTMLしか書いていないのに金額が高いのは、金額の根拠が技術以外にあるということ
  • この求人を出しているのは、働く先の会社か。人材紹介・派遣なら、実際の現場と条件は別で決まる
  • その金額は、月に何時間ぶんか。時間で割ると、Aの求人と大差ない、ということがよくあります

逆にAのほうは、金額の理由が求人票に書いてあります。JavaScriptが書けて、WordPressが触れて、CMSとSEOが分かる人を探している。高い理由が読んで分かる求人は、信じていいと思います。

WordPressの仕事は、どうなっているのか

私の仕事に直結するので、こちらも119件読みました。

業務委託は39件。ほぼ全部がフリーランス向けの常駐・準委任案件で、月40万円〜100万円でした。金額だけ見れば悪くありません。

ただ、案件名を読むと単純な制作の話ではありませんでした。実際に並んでいたのはこういうものです。

  • 既存サイトのWordPressへの移管業務(月60万円)
  • 大手小売企業向けCMS保守開発(月90万円)
  • メディアサイトの機能改修・追加(月100万円)
  • WordPress開発保守(月45万〜65万円)

移管、保守、改修。作って終わりではなく、動いているものを預かる仕事です。

スキルタグも制作寄りではありませんでした。

タグ119件中の出現率
WordPress83.2%
PHP41.2%
HTML40.3%
CSS39.5%
CMS37.8%
JavaScript37.0%
AWS17.6%
SEO17.6%
Laravel13.4%
求人ボックス「WordPress」検索結果119件のスキルタグ出現率(2026年9月7日)

PHPがHTMLより上に来ます。AWSが17.6%あるのも、サーバーごと面倒を見る前提の募集が一定数あるということです。仕事の型で分けると、制作・開発が57.1%、運用・更新が21.8%でした。

まとめると、WordPressの仕事は「作れる人」ではなく「預かれる人」に向けて出ています。テーマを当ててページを組むところまでは、もう単体の商品になっていません。

おまけ:Indeedの件数は、数えるのに使えませんでした

最初はIndeedの件数も表に入れるつもりでした。やめた理由を書いておきます。

同じ日に「HTMLコーダー」を2回調べたら、1,442件と1,397件でした。これはまだ誤差かもしれません。問題はこちらです。

Indeedで調べた語出た件数
営業5,492件
コンビニ6,579件
エンジニア241,035件
2026年9月7日・同じ手順で取得

日本の「営業」の求人が5,492件しかない、ということはまずありません。Indeedの表示件数は、そのまま母数として使える数字ではないと判断しました。なので件数は求人ボックス、中身の確認だけIndeedを使っています。

これは記事の作り方の話でもあります。「求人が◯万件あります」と書いてある記事を見たら、どこで、どうやって数えた数字なのかを確かめたほうがいいです。この記事も含めて。

200件読んで、私が思ったこと

ここからは数字ではなく、私の意見です。

HTMLだけ書ける人の仕事は、無くなっていません。ただ、二つの別の仕事に割れています。

①指示どおり組む仕事②預かる仕事
求人票の書かれ方「Webサイト更新スタッフ」「データ入力、HTMLコーダー」「移管業務」「保守開発」「機能改修」
お金時給1,057円〜1,800円月45万円〜100万円
隣にあるもの特になしPHP・JavaScript・WordPress・AWS
代わりがいるかいる探すのが大変

①と②を分けているのは、HTMLの上手さではありません。隣に何を置いているかです。

そして、その「隣に置くもの」を推測する必要はありません。求人票に書いてあります。JavaScriptが35.7%、WordPressが26.8%、PHPが14.3%。求人票は、企業が「うちが困っていること」を自分で公開しているリストです。教材を選ぶより先に、これを10件読んだほうが早いと思います。

もう一つ。私はこの結果を見て、少し安心しました。前の記事で「コーディングは数時間で終わるので、工数で値付けしている人の単価は落ちる」と書きました。今回の数字は、それと矛盾しません。時給1,057円の枠は、まさに工数で値段がついている仕事です。一方で月55万円の枠が同じ職種名で残っているのは、そこで買われているのが時間ではないからです。

これから学ぶ人へ、ひとつだけ

「HTMLから始めるのは無駄」とは思いません。95.5%の求人票にHTMLのタグが付いている以上、入口としては今も正しいです。

危ないのは、そこで止まることです。止まると①の側に落ちます。①の時給は、これから上がる理由がありません。

逆に言えば、次の一歩は難しくありません。求人票が指しているのはJavaScript、WordPress、PHPで、どれも10年以上前からある技術です。新しいものを追いかける話ではなく、HTMLの隣を一つ埋めるだけで、業務委託で見える求人が7倍になります。

まとめ

  • 「HTMLコーダー」の求人は2,308件あった。無くなってはいない(求人ボックス・2026年9月7日)
  • ただし112件を読むと、職種名が本当にコーダーなのは28.6%。残りは兼務か別職種
  • 求人票のタグはJavaScript 35.7%、WordPress 26.8%、PHP 14.3%。HTMLとCSSだけで完結する求人は少数派
  • 同じ職種名の中に時給1,057円と月給55万円が同居している
  • 業務委託だけで見ると、HTMLコーダー175件に対しWordPress 1,296件、フロントエンドエンジニア32,462件
  • WordPressの仕事は「移管・保守・改修」が中心で、PHPがHTMLより上に来る。作る仕事ではなく預かる仕事
  • Indeedの表示件数は「営業5,492件」のように不安定で、母数としては使えなかった

数えてみて分かったのは、「コーダーの仕事は無くなったか」という問いの立て方が、そもそも合っていないということでした。仕事は残っています。残ったうえで、値段が10倍に割れています。

自分がどちらの側にいるかは、求人票を10件読めば分かります。書いてある言葉のうち、いくつ自分で言えるか。それだけの話です。

※ 出どころ:求人ボックス(キーワード検索・雇用形態フィルタ/2026年9月7日取得)、Indeed(同日取得)。求人ボックスの件数は、同社が検索結果ページに明記しているとおり類似求人の非表示があるため、表示件数と一致しません。並び順にも掲載企業が支払う対価が影響します。年収換算は求人票の下限値を使い、時給は1日8時間×月20日として計算した目安です。

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私は2017年9月からフリーランスとして活動しています。
主に、Webサイト制作やデザインのお仕事などを行っています。
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