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「上司にスタンプだけは失礼」と決めているのは、スタンプを使わない人だった。100人に聞いた

100人に聞いた/上司にスタンプだけは失礼?/怒っていたのは使わない人だった。腕を組んで眉をひそめる男性と、気にしていない様子で笑う女性のあいだに、スタンプひとつだけが返信されたチャット画面。

社内チャットで上司から連絡が来たとき、スタンプひとつで返していいものか。
「さすがに失礼だろう」と、なんとなく思っている人は多いと思います。わたしもそう思っていました。

では、それは誰に怒られるのでしょうか。
100人に聞いてみたら、怒っていたのは、スタンプを使わない人たちでした。

目次

結論から。100人中48人が「上司にスタンプだけはなし」と答えた

「上司や目上の人からの連絡に、スタンプだけで返すのはありだと思いますか」。100人の答えはこうでした。

上司にスタンプだけで返すのはそう答えた人数
なし48人
内容による37人
あり15人

「なし」が最多です。ここだけ見れば、世間の感覚どおりに見えます。
ところが、同じ100人に「あなた自身はスタンプだけで返すことがありますか」と聞いた答えと重ねた瞬間に、この48人の正体が見えてきました。

自分もよくスタンプで返す14人に、「上司にはなし」はひとりもいなかった

ここで、ふたつの質問を重ねます。
ひとつは「あなた自身はスタンプだけで返すことがありますか」(=自分がやるかどうか)。
もうひとつがさっきの「上司にスタンプだけで返すのはありだと思いますか」(=判定)です。

縦が「自分がやるかどうか」、横が「その人が下した判定」です。

自分がスタンプだけで返すことは…上司には
「あり」と判定
上司には
「内容による」と判定
上司には
「なし」と判定
よくある(14人)7人7人0人
たまにある(24人)5人15人4人
ない(47人)2人13人32人
そもそも社内チャットを使っていない(15人)1人2人12人

いちばん上の行を見てください。
自分がよくスタンプで返す14人のうち、「上司にスタンプだけはなし」と判定した人は0人。ひとりもいません。

いちばん下から2番目の行は逆です。自分はスタンプで返さない47人のうち、32人が「上司にはなし」と判定しています。そもそも社内チャットを使っていない15人でも、12人が「上司にはなし」と判定しました。

つまり、このマナーは相手(上司)がどう感じるかではなく、答える本人がその習慣を持っているかどうかで決まっていました。

それを、本人の言葉でまっすぐ書いてくれた人がいます。

基本自分がスタンプを使わない。自分の部下にも使わないのだから、自分の上司にはなおさら使わない。

50代・男性・会社員(「なし」と回答)

上司の気持ちの話が、一度も出てきません。
出発点は「自分が使わない」です。そこから上にも下にも、同じ線が引かれていきます。

「上司にはなし」と答えた人の多くは、スタンプで返された経験がない

もうひとつ聞きました。「あなたが送った連絡に、スタンプだけで返されたことがありますか。そのとき、どう感じましたか」。

自分ではスタンプを使わない47人の内訳が、これです。

自分ではスタンプを使わない47人は、
スタンプだけで返された経験が…
その人数
返されたことはない27人
少し物足りなかった6人
十分に伝わったと思った5人
軽く扱われたと感じた4人
読んだのか分からず不安だった2人
仕事でチャットを使っていない3人

47人のうち27人が、スタンプだけで返された経験そのものがありません。
やったこともなく、やられたこともない。それでも「上司にはなし」と判定している人が、この中に多く含まれています。

実際に返された人は、いちばん多いのが「十分に伝わった」

では、本当にスタンプだけで返された54人はどう感じたのか。

十分に伝わったと思った

28

返された経験がある54人のうち、いちばん多い答え

少し物足りなかった

18

不満はここに集まる。ただし「怒った」ではない

軽く扱われた/不安だった

8

はっきり嫌な思いをしたのは、100人中8人

「失礼だ」と48人が言っている行為で、実際に嫌な思いをした人は100人中8人でした。

しかも、よくスタンプを使う14人にかぎると、「軽く扱われた」も「不安だった」もゼロです。12人が「十分に伝わった」と答えています。

自分ではスタンプを使わない47人

32人が「上司にはなし」

しかもそのうち27人は、スタンプだけで返された経験もない

自分がよくスタンプを使う14人

0人が「上司にはなし」

14人全員が返された経験あり。うち12人が「十分に伝わった」

上司はいいと言っていた。止めたのは同僚だった

この調査でいちばん引っかかったのが、この回答です。

個人的にはありだしよくスタンプで返すし、上司や目上の人に聞いたら良いと言われたのだが、同僚の中には「あまりスタンプで返さない方が…」という人はいる。

スタンプだけで返されるのは、「見てくれたんだな」と分かるし、わざわざ文章を作って返信するのも労力だろうからむしろスタンプで返して欲しいとも思っている。

30代・女性・会社員(「内容による」と回答)

本人が上司に直接聞いて、上司は「いい」と答えている。それでも止めにくるのは、上司ではなく横にいる同僚です。

逆の方向から同じことを言っている人もいました。

さすがに社長や部長にはしないけれど、リーダーまでなら常用しています。リーダーもスタンプだけで返してくるので。

50代・女性・会社員(「あり」と回答)

自分が上司の立場のとき、スタンプで返されても何も思わないです。不明点があれば質問の文章が返ってくると認識しています。スタンプの使い方ですれ違うのであれば、根本的にコミュニケーションに問題があるのではと思います。

30代・女性・自営業(「あり」と回答)

相手がやっているかどうか。自分が受け取ったときにどう思ったか。判断の材料にしているのは、いつも実際にやりとりした相手であって、マナーの本ではありません。

ひとりの中でも、送る側と受け取る側が食い違う

他人同士の食い違いだけではありませんでした。同じ人の中で、受け取るときと送るときの基準が違っています。

"スタンプ=お話終了"と私は思っているので、スタンプが返ってくることに関しては「よし!終わった!」という感覚です。ですが、上司や先輩にスタンプだけを返すことはありません。スタンプは使わず文章で敬意を伝えます。

30代・女性・自営業(「なし」と回答)

もらう分にはうれしい。でも自分は送らない。
この人が「なし」と答えたことで、「なし」は48人になりました。自分が嫌だったからではなく、自分はやらないから「なし」なのです。

男性のほうが厳しかった

上司にスタンプだけで返すのは「なし」と判定「内容による」と判定「あり」と判定
男性(53人)30人15人8人
女性(47人)18人22人7人

男性は「なし」が最多で57%。女性は「内容による」が最多で47%、「なし」は38%にとどまりました。
「あり」の人数はほぼ同じ(8人と7人)なので、差が出ているのはグレーを許すかどうかです。

年代では、はっきりした傾向は出ませんでした。30代だけ「内容による」が最多(37人中16人)で、20代・40代・50代・60代はどこも「なし」が最多です。若い人ほど寛容、という予想は外れました。

「なし」の人たちの言い分も、ちゃんと理由がある

ここまで読むと「なし」派が分の悪い書かれ方に見えるかもしれないので、48人の言葉もそのまま載せます。理屈が通っているものが多くありました。

自分や相手がどの立場の人間でも、ビジネスの場でスタンプを使うことが良い事だとは思っていません。なぜなら、間違って伝わるようなことがあれば、仕事に支障が出る場合があるからです。

50代・男性・会社員

そもそもスタンプだけだと、本当に理解しているのかどうかわからず、不安に感じます。

40代・女性・パート・アルバイト

LINEは仕事でも浸透しているとは思いますが、スタンプだけとなると快く思わない人も多いと体感的に思うので、そうしない方が無難だと思います。気持ちがこもってないととられる返事一回でえらいことになる、なんてのは会社では普通のことですからね……

30代・男性・自営業

最後の回答が、この話の芯を突いていると思いました。
「失礼だから」ではなく「失礼だと思う人がいそうだから」。本人が怒っているわけではありません。怒るかもしれない誰かを想像して、避けています。

いちばん強い言葉はこれでした。

メールにもビジネスマナーは必要であるため、上司や目上の人にスタンプを使うこと自体あり得ない。ましてやスタンプだけなど喧嘩を売っているのと同じである。

60代・男性・会社員(仕事で社内チャットは使っていない)

この方は、仕事で社内チャットを使っていないと答えています。
いちばん強く怒っている人が、その現場にいない。これも今回の調査の姿でした。

反対に、こういう声もあります。

伝わればいいだけなのに、スタンプでの返信がなぜ悪いのか分からないです。

40代・男性・会社員(「あり」と回答)

「スタンプでもいいじゃん」と主張すると、それがハラスメントのようで不快に感じるから、なし。

40代・女性・パート・アルバイト(「なし」と回答)

後者は「なし」側の回答ですが、怒っているのはスタンプにではなく、「これでいいじゃん」と押してくる側に対してです。
スタンプそのものより、それを他人に強いる空気のほうが嫌がられている。ここは押さえておきたいところでした。

「既読スルー」のときと、まったく同じ形だった

この結果を見て、既視感がありました。
前に100人に聞いた既読スルーの調査で、同じ形が出ていたからです。

あのときは、自分も既読スルーをする人は、されても焦っていませんでした。今回は、自分もスタンプで返す人は、返されても嫌がっていませんでした。

そして「了解です」は失礼かを聞いたときは、「失礼だ」と答えた人が、自分が言われる側に回った瞬間に怒らなくなりました。実際に怒っていたのは4人だけでした。

3回とも、同じ構造が出ています。

  • マナーとして怒っている人は、その行為を自分ではやらない
  • やらないので、やられた経験も少ない
  • 実際にやられた人は、思ったより平気
  • それでも禁止は残る。怒るかもしれない誰かを想像して、みんなが避けるから

このマナーを守らせているのは、上司ではありません。やったことのない人の想像です。

では、どうすればいいか

この調査から言えることは、そんなに難しくありません。

その上司がスタンプを使う人なら、使っていい。今回いちばん相関が強かったのは年齢でも役職でもなく「相手がやるかどうか」でした。リーダーがスタンプで返してくるからリーダーには使う、と書いた人がいたとおりです。

ただし、依頼や判断が要ることにはスタンプだけで返さない。「内容による」と答えた37人の理由を読むと、線の引き方はふたつに分かれました。内容の重さで引く人と、相手との距離で引く人です。数はだいたい半々でした。

ただ、内容で引く人の線はほぼ同じ場所にありました。「ありがとうございました」「よろしくお願いします」への返事ならスタンプ、依頼や相談への返事なら文章。実際に不安だったと書いた人も、依頼事項にスタンプだけで返された場面を挙げています。

そして迷ったら、その相手に直接聞けばいい。聞いた人はひとりいて、「いい」と言われていました。

調査の概要と、正直な限界

調査期間:2026年9月/対象:日本在住の100人(男性53・女性47、年齢の中央値41歳)/職業:会社員・公務員61、自営業・フリーランス25、パート・アルバイト10、無職・専業主婦(主夫)4/方法:クラウドソーシングでの選択式+自由記述。生成AIを使った回答は禁止として募集

限界も書いておきます。

  • 100人は、日本の代表ではありません。クラウドソーシングに登録している人に偏っています。自営業・フリーランスが25人と、世間の比率より多いはずです
  • 「軽く扱われた」8人という数字は小さいので、ここだけを取り出して一般化はできません
  • 年代別はさらに母数が小さい(60代は8人)。傾向として読むにはむりがあります
  • 自由記述を読んだ限り、明らかに手を抜いた回答は1人(1問だけ)でした。その1問はCCに関する設問で、この記事の集計には含まれていません

それでも、「よくやる14人に、なしはゼロ」という偏り方は、誤差で出るものではないと思っています。

まとめ

  • 「上司にスタンプだけで返すのはなし」と判定したのは48人。最多だった
  • でも、自分もよくスタンプで返す14人のうち、「なし」と判定した人は0人
  • 「なし」と判定した人の多くは、スタンプだけで返された経験そのものがない
  • 実際に返された54人のうち、いちばん多いのは「十分に伝わった」28人
  • はっきり嫌な思いをしたのは100人中8人
  • 上司に直接聞いた人は「いい」と言われていた。止めたのは同僚だった

失礼かどうかを決めているのは、目の前の上司ではなく、自分の中の習慣でした。
だとしたら、自分がやらないことを、人に禁止しているだけかもしれない。そこは一度、疑ってみてもいいと思います。

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サイト運営者のカツです。
私は2017年9月からフリーランスとして活動しています。
主に、Webサイト制作やデザインのお仕事などを行っています。
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