今回はとある実体験を元にご紹介します。
知人(仮名:山田さん 現在30歳の女性)から聞いたお話しなのですが、なかなか酷いもので。無事に解決できるかどうかは、当事者や会社の環境によって変わると思いますが、同じ境遇の方の参考になればと思います。
社長に遠回しに辞めろと言われた。これってパワハラ?
山田さんは現在勤めている会社から退職を迫られているよう。それはその会社の社長からなのですが、ここでやりとりの一部をご紹介します。
登場人物まとめ
山田さん・・・今回の主人公 2024年3月時点で30歳の女性 株式会社パワハラに3年ほど勤めている。完全在宅ワークの採用で3年間在宅ワーク
パワハラ社長・・・2024年3月時点で40代くらいの男性社長
株式会社パワハラ・・・その会社の仮の名前。HPの会社情報からすると、社員は5名。
2024年3月に株式会社パワハラの業務の1つでクライアントに対して損害を発生させる失敗が起きた。
この業務の担当をしていた山田さん。実は山田さんは全く悪くなかったのだが、パワハラ社長はこれを山田さんの責任にするのだった…
ここからはLINEのやりとりです。
株式会社○○の件、どう責任とるつもりなんだ?
○○の件の修正案をご提案しましたが、その内容ではご対応は難しいのですか?
私の知人はそのやり方が解決に繋がるとは思えないと言っている
筆者の私自身はこの一部始終を知っているのですが、実は山田さんの改善案の対応は正しい。そして、今回損害に繋がったのは誰のミスとかでもなく、ただ運が悪かっただけの内容。だから社員一人に責任を押し付けようとしている状況がすでにおかしい。
改善案はもういいから、どう責任を取るつもりか教えてください
私は一社員なので、責任の取り方がわかりません。社長はどう責任を取るべきだとお考えですか?
それは山田さんの考えの中から出るものじゃないですか?今回の案件を他人事として捉えているのですが?
改めて考えてみたのですが、やはり一社員の私が取れる責任がわかりません。
こちらの意図も理解できずにいるので、お話になりません。
山田さんは完全在宅ワークなので、このような感じのやりとりをLINEでしていました。
そして、パワハラ社長はこう切り出しました。
山田さんには在宅ワークはできないようです。自分の責任の取り方もわからないようなので。いままでお願いしていた業務は今後全て無しになります。本日新たな業務の辞令を出すので、有給消化で本日は仕事しなくていいです。
辞令。山田さんは明日以降は出社契約に変更。業務内容はテレアポをずっとやっておいてください。
ここでポイント!
① 山田さんは元々在宅ワークの契約で入社している
② 今回の業務の損害は山田さんのせいではない
③ 山田さんは正しい改善案は提示している
④ その改善案は社外の人間の意見を聞いて却下
⑤ 社長から有給の命令
⑥ 強制的に出社契約に変更
⑦ そもそも、株式会社パワハラにはテレアポの仕事は今まで存在しなかった
⑧ ずっと責任をとれと言ってくる
これはもう遠回しに「山田さんは会社に必要ない」「辞めさせようとしている」と感じるに十分値すると私は思います。
山田さんは退職の意向を決意。ただ自分は悪くない。それに自己都合による退職だと失業保険のもらえる金額が減る。
そこでこう問うと?
テレアポの業務に変更で出社契約となると、私は対応が難しいです。そのため、業務を続けるのが難しいです。この場合は会社都合で退職の流れになりますでしょうか。
何を言っているんですか?あなたが仕事ができないからテレアポの仕事を作っているんです。だから、業務変更は山田さん都合になります。
これは捉え方によって難しいところかもしれませんが、私はおかしいと思います。
何度も言うとおり山田さんは悪くない。そもそも、この3年間は与えられていた仕事を山田さんはしっかりとこなしていた。それが急遽発生したたった1つの損害を山田さん一人に押し付ける。
普通は社長(上司)がケツを持つものです。
今回は一部しか紹介していませんが、この5月からの山田さんとパワハラ社長のやりとりを聞くと、一般常識の考え方がある方なら「パワハラ!」と言うレベルです。
ただ、これは法律の限界なのか、この流れ全てをハローワークに山田さんはお伝えしたところ「現時点はパワハラ認定は難しい」 「会社から自己都合による退職と言われたならそうなる」だそう。
山田さんはLINEのやりとりは全て残しているので、どうしても辛い場合はパワハラ問題に強い弁護士に相談することを視野に入れているそうです。
自己都合による退職と会社都合による退職で失業保険の費用が変わる!?
前述もしましたが、失業保険の厄介な点が「自己都合による退職」と「会社都合による退職」で失業保険でもらえる金額に差があること。
正確に言えば、自己都合による退職の場合は受給期間は少なくなるということですね。
だから退職する時は、会社都合の退職の方が良いのです!転職先がすぐに決まっている場合は別に気にしなくていいですが、今回みたいに急遽退職することになった場合は、退職してから転職活動なので失業保険は絶対にほしいところ!
会社が会社都合による退職にしたく無い理由
大きな要因の一つとして言われているのが「会社都合退職にすると助成金が受け取れないから」です。
雇用関係の助成金のなかには「6ヵ月以内に会社都合退職者を出していないこと」などの受給条件が定められているものもあります。
参考:会社都合退職とは?知らないと怖い会社都合のデメリットと自己都合との違い 会社都合退職にすると助成金が受け取れないから
これがあるから中小企業の社長ほど会社都合の退職にしたく無いのでしょう。
だって中小企業は助成金を利用しているところが多いから。
筆者の私自身もパワハラで辞めた会社の社長に「自己都合による退職」で辞めろ!と強く言われたのを覚えています。(その会社も従業員10人くらいの企業でパワハラ社長のやりたい放題の会社でしたな)
パワハラによる退職なのに自己都合を受け入れるしかない?
失業保険の受給期間を考えると会社都合にした方がいいのはわかりました。しかし、パワハラをする社長が相手の場合はすんなり会社都合による退職になんて出来ない。
もはや、会社都合による退職にして欲しい!というやりとりすら社長とするのが苦痛。そういう人がほとんどだと思います。
そのため、多くの方が自己都合による退職を受け入れるしかないのでしょう。
しかし、一応そんな人のために救済案もあります!
それは、特定理由離職者又は、特定受給資格者になることです!
こちらの記事をご参照くださいませ!
この特定理由離職者又は、特定受給資格者になれれば、自己都合による退職だとしても、受給期間が減らないかもしれません!
まとめ
今回は実体験を元に、社長に遠回しに辞めろと言われたらどうしたらいいかについて見ていきました。
遠回しだろうが、直接だろうが「辞めろ!」と言われたことに対しては基本パワハラにあたると私は思います。
リストラの相談ならまだしも、一方的に仕事出来ないから辞めろ!はダメかな~
「海外では仕事出来ない人はリストラは普通」という意見もありますが、ここは日本です。
ただ、そういう社長のもとでこれからも働くのも苦痛だと思うので、今回ご紹介したように何とか「会社都合による退職」にもっていけたら、それで辞める。
無理でも、特定受給資格者などに該当するように証拠を集めるなどをした方がいいかな。
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