「鬼」と聞くとどんな姿を思い浮かべますか?
多くの人が「鬼」と聞くと、赤色や青色の肌に、金棒を振り回す恐ろしい顔をした姿を思い浮かべることでしょう。また、鬼=ワルやアクと捉える方がほとんどだと思います。
しかし、鬼の正体や起源を深く探っていくと、意外な事実が見えてきました。
今回は、そんな鬼の正体や起源、そして驚くべき真実について紹介します。
鬼について!
鬼は、日本の民話などに登場する妖怪の一種で、恐ろしい顔の姿をした存在です。
古くは『日本書紀』や『古事記』などにも登場し、時代によって鬼のイメージが変化してきたそうです。
鬼の特徴
まずは鬼の特徴を見てみましょう!
鬼の見た目
赤色や青色をした肌
角が1本や2本ついている
虎皮のふんどしを身に着けている
金棒を持っている
鬼の弱点
豆(節分では豆まきで鬼を追い払う)
桃(日本神話では魔を払う力が有るとされる)
仏(仏像や経文に弱いとされる)
金剛杵(仏教の武器で、鬼を退治できるとされる)

鬼のパンツの柄が「虎皮」の理由!
鬼は鬼門と呼ばれる「北東(丑寅)」の方角から来るとされ、
丑(牛)の角・寅(虎)の毛皮を身につけるイメージになったそうです。
鬼の正体とは!鬼の起源と驚くべき事実
「鬼」という字は中国から伝わったそうで、元々は「霊魂」や「死者の魂」を意味していました。
日本語の「おに」は「隠(おぬ)」から変化したと言われ、目に見えないものを指していたそうです。
鬼の正体については、さまざまな説がありますが、鬼は単なる架空の妖怪ではなく、時代や地域によってそれぞれの「鬼のモデル」が存在したと考えられています。


1. 鬼は人間だった!?人間説
鬼は、かつて実在した人間がモデルになった可能性が高いとされています。
①異民族・渡来人説
日本には、朝鮮半島や中国大陸から渡来してきた人々がおり、彼らは日本人とは異なる見た目(髭が濃い、体格が大きいなど)やみた事の無い道具を持っていたため、恐れられていたそうです。
さらに、大和政権に反抗した部族が「鬼」と見なされることがあったそうです。反抗した部族は奇抜な衣装を身にまとい、朝廷に反抗する行動をとっていたため、人々の間で恐れられ、次第に「鬼」のイメージと結びついたと言われています。
② 山賊・盗賊説
昔の日本には、村を襲う盗賊や山賊が存在していたそうです。盗賊や山賊はもちろん、村人から見て「恐ろしい存在」であり、「鬼」のイメージと重なった可能性があります。
③ 鬼=罪人
掟に背いた人が山などに追放され、「鬼」として扱われた可能性があるそうです。
人々は彼らを恐れ、怪物のような存在にしたと言われています。
2. 鬼の姿は仏教由来!?神の変化説
現在の鬼は、インドや中国の仏教に由来しているとされ、地獄で罪人を責める「夜叉(やしゃ)」や「羅刹(らせつ)」といった鬼のような存在が登場します。これらが日本に伝わる過程で、日本独自の「鬼」へと変化したのではとも言われています。
また、仏教では「鬼神(きじん)」という考えがあり、鬼は単なる悪ではなく、神に仕える存在としての姿も持っていました。時に人間に恵みを与え、時に災害をもたらす。神が怒ると「鬼」として恐れられたそうで、そのため、鬼は災厄をもたらす存在であると同時に、守護神としても崇められることがあったそうです。



山姥や天狗も鬼と関連がありそうですね!
3.目に見えない事柄や人間の負の感情説
鬼は目に見えない事柄(病気・災害・悪霊・邪気など)や人間の負の感情(欲望・怒り・嫉妬など)を象徴する存在とする説もあります。


節分の鬼の秘密
毎年2月に行われる節分では、豆をまいて鬼を追い払いますね。この「鬼」は妖怪ではなく、「邪気」や「災厄」を意味しています。
平安時代に疫病や災害が頻発し、人々はそれらを目に見えない鬼の仕業と考えました。そこで、悪いものを追い払うための儀式として現在の節分が行われるようになったそうです。


また、節分の豆まきには「鬼は外、福は内」と言いますが、実は例外があります。一部の寺院では「福は内、鬼も内」と言い、鬼を善と考える風習が残っているんだそうです。



前途したように鬼を単なる悪者ではなく、守り神の一種と考えているんですね。
ナマハゲと鬼の違い!
秋田県で有名なナマハゲも鬼に扮しますが、鬼とは違いがあるのでしょうか?


ナマハゲ行事は毎年大晦日(12月31日)に行われ、地元の青年が鬼の面をつけ、わらの衣装を身につけナマハゲ役に扮します。家々を歩き回り、「悪い子はいねがー!」と叫びます。そして家の主人からお酒やごちそうをふるまわれるそうです。
ナマハゲ
鬼に似ているが「神の使い」
人々を戒め、福をもたらすのが目的
弱点は無い
鬼
人を襲う妖怪的な存在
人を襲い苦しめ悪さをするのが目的
豆、仏の力など



ナマハゲは鬼のような見た目をしているけど、本当は「怠け者を戒め、福をもたらす神の使い」なんですね!
まとめ
鬼は「単なる妖怪」ではなく、時代・社会・宗教などが反映された存在で、鬼は怖いだけじゃなく、人間社会の影を映し出す鏡のようなものだったのかもしれないですね。
現代において鬼は昔ほど怖いもの恐ろしいものという考えがありませんが、それでも鬼に扮し人を見たらやっぱり鬼は怖いなと感じてしましますね。
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