クリスマスシーズンになると、世界中で楽しまれるお菓子に 「シュトーレン (Stollen)」 があります。ドイツ発祥の伝統的な焼き菓子で、ドライフルーツやナッツがたっぷり詰まった贅沢な味わいが特徴です。そんなシュトーレンの美味しい食べ方やその歴史・由来についてご紹介します。
ドイツのクリスマスに欠かせない、シュトーレンって何?
シュトーレンは、ドイツ・ザクセン地方で生まれたクリスマスの定番スイーツ。砂糖やバターをふんだんに使用し、ラム酒に漬けたドライフルーツやナッツを混ぜ込んだ生地を焼き上げ、最後にたっぷりの粉砂糖で覆っています。その形は、キリストの産着に包まれた姿を象徴しているとも言われています。
シュトーレンの食べ方は?
シュトーレンは、焼き上げてすぐに食べるのではなく、少し寝かせてから味わうのが特徴です。バターと砂糖がしっかりなじむことで、味わいが深まり、日ごとに熟成が進むのも魅力です。
- 真ん中から切るのが正解!
シュトーレンは通常、端から切るのではなく、真ん中から切り分けて食べるのがドイツの伝統的な方法です。これは、切った後に両端を合わせて保存することで、乾燥を防ぎ、最後まで美味しく味わうためです。次に食べるときも、再び真ん中からスライスするようにしましょう。 - 薄くスライスして少しずつ楽しむ
シュトーレンは味が濃厚なので、1〜2cm程度の薄切りで少しずつ楽しむのが一般的です。一度に食べ過ぎないことで、味の変化を長期間楽しむことができます。 - クリスマスまでに少しずつ食べる
シュトーレンはクリスマスを待つ期間(アドベント期間)に少しずつ食べ進めるお菓子です。1日ごとに熟成が進み、味や香りが深まるので、ゆっくり時間をかけて楽しむのが魅力のひとつ。最初は控えめな風味でも、日にちが経つごとにドライフルーツの甘みやスパイスの香りが生地に染み込んでいきます。 - 温かい飲み物と一緒に
シュトーレンはコーヒーや紅茶、ホットワインなどと相性抜群。クリスマスの暖かい雰囲気の中でゆったり味わうのがおすすめです。
シュトーレンの由来について
シュトーレンの歴史は14世紀ごろにさかのぼります。当時は、クリスマスを迎える前の断食期間中に食べる簡素なパンとして生まれました。今とはイメージが全然違いますよね。質素なパンであるシュトーレン、宗教的な理由から当初はバターや牛乳の使用が禁じられており、現在のようなリッチな味わいではありませんでした。
バター許可証で進化したシュトーレン
「バター許可証」聴き慣れない言葉ですよね。宗教的な理由で禁止されていたバターや牛乳。そんな中、15世紀後半、ザクセンの領主がローマ教皇に特別許可を求め、バターや牛乳を使えるように嘆願した結果、「バター許可証」 が与えられました。これにより、シュトーレンは次第にリッチな焼き菓子へと進化していきました。
14世紀ごろ、クリスマス前のアドベント期間(断食期間)には、バターや牛乳などの動物性食品の使用がカトリック教会によって禁じられていました。バター許可証が発行されたとき、教会に寄付金を払うという条件があったため、裕福な家庭のみが、バターや牛乳を使用したシュトーレンを楽しんでいたそうです。
クリスマスとの関係
その後、シュトーレンはクリスマスを象徴するお菓子として定着。キリストの誕生を祝う象徴的な形状や、クリスマスの祝祭を華やかに彩る豪華な材料が用いられるようになり、現在のような姿になったのです。
今年はクリスマスまでシュトーレンを楽しんでみよう
シュトーレンは、ただの焼き菓子ではなく、長い歴史とクリスマスの伝統が詰まった特別なお菓子です。真ん中から切って少しずつ食べ進めながら、クリスマスまでの時間を待つのが本場の楽しみ方。今年の冬は、シュトーレンを取り入れて、味わい深いクリスマスシーズンを過ごしてみてはいかがでしょうか?
まとめ
日本では、ドイツ直輸入のものや地元ベーカリーが作るオリジナルのシュトーレンを楽しむことができます。人気の店舗では早めに売り切れることもあるので、購入はお早めに。私は近くのケーキ屋さんのシュトーレンを小さめのものを買って食後のデザートに楽しんでます笑
当記事に対してのコメントをご記載くださいませ!